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それで君たち、これからどうするの? リトル・グローリー 〜小さな栄光〜

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2012年 ベルギー、アメリ

あらすじ

 ショーンの生活は荒んでいた。母親が亡くなり、家族は飲んだくれの建設作業員の父親と小さな妹のジェリーだけだった。父親からはいつも定職についていないことをなじられていた。ある日、父親が酔っ払って作業をしていて墜落し、あっけなく死んでしまった。

 父親は生命保険をかけていたが、受取人は自分ではなくジェリーだった。どこまでも自分に冷たい父親に憤りを感じながらも、収入源もなく先立つものがなかった彼にとって保険金は魅力的だった。彼の中では、その金はジェリーのものではなく自分のものだった。葬式のとき、叔母がジェリーを引き取ると言い出した。ショーンは強硬に拒否したが、叔母はジェリーの養育権を求めて裁判所に訴えた。裁判官は、ショーンにジェリーを養育するための生活基盤があることを証明するよう求めた。期限はたったの1ヶ月だった。

 ショーンにジェリーを責任を持って育てなければならないという自覚はなかった。結局のところ、責任や義務から逃れて自由気ままに生きたかった。恋人や仲間との楽しくやるのにジェリーは邪魔な存在だった。

 しかし兄妹の時間を過ごすうちに、ショーンは残されたたった1人の肉親に愛情を感じ始めた。保険金の受取人としてではなく肉親としてジェリーを見るようになった。そして、それ故に自分にはジェリーを育てる資格がないと考えるようになった。裁判の日、ショーンは自ら叔母が養育権に持つことを認めた。

 裁判所を出て、叔母の家に連れられていくジェリーと別れを告げるショーンの胸中は複雑だった。

 

感想・コメント 

 ショーンはまだ精神的に成熟していない不完全な大人だ。だから、妹を受取人になっている生命保険金目当てに、幼い妹の面倒は自分がみるなどと、まともに考えれば到底不可能なことを口角泡を飛ばして主張する。周囲の人からすれば、そんな兄の元で不自由を強いられているジュリーに同情を禁じ得ないだろう。

 ショーンは妹と時間を共有するうちに、肉親の情のようなものが芽生え、改心しなければならないと薄っすら感じ始める。そんな彼の成長を描きたかったのだと思うが、その決意の契機となる出来事が特にあるわけでもなく、頑張れよと声をかけたくなるような気分にもなれないままエンディングを迎えてしまった。比較的抑揚の少ない日常をテーマにした作品が好きな私にとっても少々残念な作品でした。

  最後までお付き合いいただきありがとうございました。