2012年 パラグアイ
あらすじ
2005年パラグアイのメルカル・クアルド市場が舞台。

テレビタレントを夢見る少年ビクトルは市場で荷車で荷物運搬を請け負う仕事をしていた。ある日、精肉店の店員のグスから7つの箱を運ぶよう仕事を依頼される。普段その店ではネルソンという男が請け負っていたのだが、その日たまたま遅刻したためにビクトルが指名されたのだった。

一足遅く店にやってきたネルソンはビクトルに仕事を横取りされたことに腹を立てた。腹を立てたのは彼だけでなかった。グスの雇い主であるダリオもまた、信用できるかどうかわからない運搬屋に大事な荷を託したグスに腹を立てた。ダリオの命令でビクトルから荷を奪い返そうと追跡していたネルソンは、ビクトルが警官に尋問されているのを見て、荷が警察に押収されたと思い込み、店に戻ってダリオにそう報告した。それを聞いたダリオとその場に居合わせた依頼主は激しく動揺した。依頼主は25万ドルもの現金を荷車で運ばせたのかとダリルに詰め寄った。その会話を聞いて荷の中身が大金だと知ったネルソンは、それを強奪しようと考え、その場をそっと離れると仲間を募ってビクトルの追跡を始めた。

実は運よくビクトルは警官に見逃してもらっていた。箱の中が気になったビクトルがこっそりと中を見ると、そこに入っていたのは女性のバラバラ死体だった。
話の全貌が徐々に明らかになる。依頼主とダリルは、ホルヘという男と結託し、ホルヘの妻の親から身代金を引き出すために彼女の偽装誘拐を計画していた。しかしダリルの部下の不手際でホルヘの妻は事故死してしまった。さらに依頼主とダリルの行き違いで、金を運ばせるはずが事故死した妻の遺体を運ばせてしまったのだった。
ネルソンの追跡から必死に逃れるビクトルだったが最後に捕まってしまう。さて、ビクトルの運命は。
感想・コメント
珍しいパラグアイの作品。市場の雑踏を舞台にした作品はアジア系の映画でよくあるが、それらと似た雰囲気だ。ストーリーは、ビクトル視点、ダリオ視点そしてあらすじでは触れていないがビクトルの姉のタマラ視点が交互に描かれ展開していくという、なかなか凝った作りになっている。なぜビクトルを追跡するネルソン達が皆荷車を押して移動しているのか意味不明(商売道具とはいえ、荷車は追跡に邪魔だと思う)だが、パラグアイの風俗を垣間見ることができるという点で鑑賞する価値がある。
なお、この作品では携帯電話が高嶺の花のように描かれているが、作品の制作年が2005年だということをお忘れなく(多分パラグアイでも今はスマホを使っていると思う)。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
AmazonPrimeで鑑賞することができます!(本作品の配信情報は2020年5月4日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況についてはホームページもしくはアプリをご確認ください。)
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