1979年 イギリス、西ドイツ
車の中で兄から送られてきた封筒を開く男。
中にはクラフトワーク(テクノグループ)のテープが入っています。
帰宅すると、母から電話があり兄が風呂場で死んでいるのを発見されたと知らされた男は、兄が住んでいたブリストルまで車で向かいます。
長旅の途中で、カージャックされそうになったり、音楽好きな若者と出会ったりしながら、目的地に到着します。
兄が住んでいた部屋は、実は女が借りていた部屋でした。男は女に兄の死の状況を尋ねますが、女は答えたがりません。
何も分からぬまま、男はエンストして動かなくなった車を乗り捨て、電車に乗って街を去るのでした。
DVDジャケットにヴィム・ベンダースPRESENTSとありますが、共同プロディーサーだっただけのようで、監督作品ではありません。
難易度が高いロードムービーです。
人物描写も殆ど無く、散文詩のようです。
露出アンダー気味のモノクロ映像の描写はさながら心象風景のようで、それだけで印象的です。
ストーリーは平板です。現実には、車でドライブしても大抵何も起こらないという点ではリアルと言えますが、そんな日常を切り取って映画にする必要があるのかと思う人には向かないと思います。
車のボンネットの水滴やジュークボックスのディテール、そういったものが琴線に触れるハイセンスな人にはいいかも知れませんが、多くの人々には退屈に映ると思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。